D&Iの紹介を通じて入社した3名の方のおかげで、その周りの社員も成長しているなと思います。
株式会社インターネットインフィニティー様
管理本部 人材戦略部 障害者採用ご担当者様
本インタビューでは、D&Iの「人材紹介サービス」と「定着支援サービス『ワクサポ』」(※)の2つのサービスをご利用いただいている株式会社インターネットインフィニティー様にお話をうかがいました。
(※)定着支援サービス「ワクサポ」とは、障害をお持ちの社員様に対して専門カウンセラーが面談を実施し、離職につながる課題の可視化と関係者への対処法のアドバイスを通じて定着をご支援するサービスです。
詳細:障害者の定着支援「ワクサポ」
ゼロから始めた採用活動で、計3名の採用が決定
――始めに、御社の事業内容を教えていただけますでしょうか。
当社の事業は大きく分けて3つあります。
(1)リハビリに特化した「レコードブック」という高齢者向けデイサービスの運営、(2)居宅介護・訪問介護などを行う「在宅サービス事業」、(3)介護業界への参入企業向けのマーケティング支援や情報提供、法人向けに社員への福利厚生として介護と仕事を両立させるための支援などを行う「WEBソリューション事業」を主な柱としています。
――御社には2017年に初めてD&Iの人材紹介サービスをご利用いただいていますが、そのタイミングで採用活動を開始された背景は?
当社は店舗型の事業展開をしているがゆえに、事業拡大に比例して従業員数が増えていました。
先にご紹介した「レコードブック」というデイサービスは、今や全国で160店舗(FC店を含む)を超える規模であり、障害者採用を進めなくてはと思いながらも、他の採用業務が優先になってしまっていた状況でした。
しかし、2017年のマザーズ上場を機に、障害者採用にも力を入れていこうという会社の方針により、採用活動に向けた情報収集をスタートさせました。
――D&Iのサービスをご利用されようと思った決め手は何でしょうか。
最初にD&Iの話を聞いたとき、採用だけでなく入社後の定着までフォローしてくれるという点が印象的でした。
採用をゴールとする考え方のエージェントもある中で、採用後も継続して支援してくれるという点で、この会社であれば安心して任せられるなと思ったのがきっかけです。
――その後、どのように採用活動を進められましたか?
まだ、どんな方を採用するかという採用ターゲットや求人内容すらも固まっていないような状況からのスタートでしたが、その後わずか2か月で無事1名の採用が決定。
D&Iにスピード感を持って様々な候補者をご紹介いただけたこと、その中で「どんな方が自社に合うか」や「候補者に求めたいこと」等を言語化できたことが採用につながった理由だと思います。
その後も、ハローワークや他の紹介会社様を利用した時期もありますが、採用活動にかけられるリソースが限られていることもあり、自社に合った方をピンポイントで紹介してもらえるD&Iの人材紹介を引き続き利用し、結果として3名の採用につながりました。
「本人の本音がなかなか引き出せない」入社後の定着への課題
――では次に、D&Iの定着支援サービス「ワクサポ」についてお聞きしたいと思います。まず、Aさん(採用決定者)の入社が決まったとき、社内で何か課題や反響はありましたか?
初めての本格的な障害者採用でしたので、人事部も配属部門も、手探りの状態。
Aさんの障害についてどの範囲まで情報を開示するか等、基本的なことから決めていかなくてはならない状態でした。
――そのような中で実施したワクサポの定着面談ですが、どんな効果がありましたか?
特にAさんの入社当時の定着面談では、本人のマネジメント方針を決めるための気づきを得られたことが大きな効果だったと思います。
というのは、ワクサポの面談の場で、本人からは社員に対して直接言えないけれど、「実は、苦手な電話応対の業務を任されることを不安に思っている」という声が挙がったのです。
配属部門のマンパワー的にも、常にマンツーマンでサポートできる状況でない上に、Aさんご自身が業務のご経験者だったので、周囲が本人に頼ってしまった部分がありました。
しかし、面談の報告書を通じて、「あ、本人はこういう風に感じているんだな。」という気づきになり、本人のサポート方法を各部署に共有することができました。
――その後のAさんの様子はいかがでしたか?
実は、その後も色々な課題がありました。
例えば、組織の事情でAさんの業務量が一気に増えてしまった時期がありました。
人事の社員からの「大丈夫?」という問いかけに対し、Aさんは「大丈夫です。」と答えるものの、遠慮をして明らかに本音ではない様子。
しかし、ワクサポの面談の場では、Aさんが自分の思いの丈をわーっと吐露する場面があり、やはり無理をしていたんだなということがわかりました。
その声を聞きながら、「これは会社が解決する課題」「これは本人が解決する課題」と、ワクサポのカウンセラーが課題を切り分け、お互いがどう取り組んだらいいかアドバイスをくれました。
業務の状況が落ちついた頃、壁を乗り越えたAさんはとても成長した姿に見えましたね。
――定着支援に関わっていただいた社員の方々はワクサポのサービスをどう評価されていますか?
面談に同席した管理職(Aさんの上司)は「相手の事って思った以上に知らないんだな、と気付くきっかけになった」と言っています。
当社の管理職の多くはプレイングマネージャーであり、他のメンバーのマネジメントもあるため、障害を持つ社員1人だけに掛かりきりになれない現状があります。
それゆえに、相手が障害を持っていることや特性があることを忘れて接してしまったり、指示を出してしまったりすることがあります。
定着支援サービスにより障害を持つ社員と定期的に向き合える機会があることで、マネジメントする側が「前、本人にこんな指摘をしたけれど、言い方はあれで正しかったのだろうか」と、障害社員との接し方について見直す感度が上がってきているように思います。
法定雇用率を満たすだけでない、障害者採用の理想形とは
――「人材紹介サービス」と「定着支援サービス『ワクサポ』」の2つのサービスをご利用いただいた上で、今後もっとこうしてほしいというご要望はありますか?
正直、これ以上の要望というのはないんですよね。
障害者雇用の「採用」という人を採るところだけでなく定着の部分もサポートしてもらえるなら、これ以上のことはありません。
――では、今後の障害者雇用を御社の中でどう位置付け、どういうスタンスで進めていくかについてもお聞かせいただけますでしょうか。
どうしたらその方の良さを活かしていただけるのかを考えながら採用を進めたいなと思っています。
折角、たくさんある企業の中でうちの会社を選んで入社を決めてくれるのですから。
これまでの採用活動を振り返ってみると、「難しく考えすぎていたな」と感じています。
相手が障害をお持ちの方であれ、お互いにしっかりコミュニケーションを取って意思確認をするというのは一般的な採用と何ら変わりません。
障害者採用に対して「偏見を持たないように」と意識していたつもりの自分が、難しいというバイアスを一番かけていたように思いますね。
D&Iの紹介を通じて入社した3名の方のおかげで、その周りの社員も成長しているなと思います。
特に、違いを受け入れる「多様性」が育まれており、それが会社の強さにも繋がっているように感じます。
法律できまっているから法定の人数を採用するのではなくて、その方がしっかり定着し、活躍し、かつ関わる社員が成長してくれる、というスタンスで採用をしていきたいなと思っています。