音声読み上げソフトを使った業務サポートも任せることができることや、定着に向けたパフォーマンスチェックなどもお願いできることは非常に大きかったです
前田建設工業株式会社様
経営管理本部 人事部 主任 青山 佑紀様
―――これまでの採用方法は?
当初はハローワークを中心に募集をしていました。
ありがたいことに、多くのご応募を頂いていたものの、なかなか採用にまで結び付けることが出来ず、マッチングへの課題を感じながら、応募者対応に追われている毎日でした。
とはいえ、建設工事の入札案件に参加するにあたり、会社評価として雇用率達成が必至でしたので、民間求人媒体での母集団形成や転職イベントへの参加など、積極的な採用活動を実施していました。
しかし、マッチングの質を上げることが出来ず、今では人材紹介を活用し、スクリーニングしてもらった候補者を紹介してもらうようにしています。
―――今回在宅雇用を選んだきっかけは?
大きく分けて2つありました。 1つは従来からあるフレキシブルワーク制度との相性の良さが非常にあったことです。
当社では育児、介護のみならず、病気、障害、通院、家庭の事情等、幅広いケースに対応し、労働日、労働時間、就労場所及びその期間について、社員の希望に合わせて個別に運用する「フレキシブルワーク制度」が2016年から始まりました。
そのため我々も在宅でパフォーマンスが発揮できると踏んでいたので、社内でも話が通しやすかったですね。
もう1つはサポート体制への安心感です。
私自身、障がい者採用だけではなく、その他人事業務も担当をしているため、最初に在宅雇用の提案を受けたときには在宅勤務者のサポートまで絶対に手が回らないと思っていました。
そんな中、D&IではWord・Excelの基本操作から弊社イントラネットへの接続方法の指導などの導入研修も任せることができました。また、私たちが採用したNさんは全盲の方だったので、音声読み上げソフトを使った業務サポートも任せることができることや、定着に向けたパフォーマンスチェックなどもお願いできることは非常に大きかったです。
―――どのような業務を任されているのですか?
Nさんには「渋谷でケンコー」というラジオ番組の文字起こしをお任せしています。
当社ではCSV経営の一つに「健康経営(心身ともに健康な状態で仕事に取り組むことでパフォーマンスが上がる)」という考え方があり、私はその一環で健康経営について様々な企業が集う会議体に参加をし、その情報を社内に持ち帰っていました。
その会議の中心にいらっしゃるのがラジオのレギュラーパーソナリティーを務めているDeNA社CHO室の平井さんという方なのですが、ラジオでの話題は健康経営のヒントの宝庫。そこから派生して今回Nさんに過去のものからラジオの文字起こしをお願いすることになりました。
平日昼間にやっているラジオなのですが、過去のアーカイブをnoteというアプリで聞き、文字に起こしたものを成果物として提出してもらっています。
私たちはそれを健康経営の社内共有資料の元ネタとして活用をしています。
Nさんは入社されて1年半ほど経ちますが、今では社外の方々からも成果物を共有してほしいとの要望が上がるまでになりました。ラジオをやっている平井さんからも、今後出版する際の原稿元にしたいとのことで、私を飛び越えて直接やりとりをするような間柄になっています。
やはりそういった業務の幅・関わる人の幅が広がっているのもNさんの性格の現れだと思います。
非常に前向きで意識が高く、PCスキルを上げるために定期的にPC教室にも通っておられます。
2、3ヶ月に一度、会社に来てもらい、定期的な面談を実施しているのですが、毎回話していて思うのは、Nさんが仕事を楽しんでくださっていることです。そのようなこともあって私も採用をして良かったと思っています。
今後さらにNさんには、社内の衛生委員会で障がい者ならではの気付きや、日頃耳から収集されている健康に関する知識・ノウハウについて話をしてもらうことができればとは思っています。
D&I担当者のコメント
明るく気さくに取材に応じてくださった青山様。
ご協力をいただき誠にありがとうございました。
本来自分がやりたい・やらないといけないけれども手が付けられていない、そういった業務を在宅勤務者にお任せすることでコア業務に集中ができ、生産性が上がる。
今回青山様からお聞きしていると、そういった企業側のメリットだけではなく、在宅で働くNさんにとってもより良い効果が生まれていることが分かります。
テレワークとなると一見、閉鎖的・限定的な関わりしかないのではと思われるかもしれませんが、Nさんのように社外の方々とのコミュニケーションが生まれたことで仕事の幅が広がり、ご本人もお仕事を楽しまれていることがとても印象的でした。
[編集後記]
明るく気さくに取材に応じてくださった青山様。
ご協力をいただき誠にありがとうございました。
本来自分がやりたい・やらないといけないけれども手が付けられていない、そういった業務を在宅勤務者にお任せすることでコア業務に集中ができ、生産性が上がる。
今回青山様からお聞きしていると、そういった企業側のメリットだけではなく、在宅で働くNさんにとってもより良い効果が生まれていることが分かります。
テレワークとなると一見、閉鎖的・限定的な関わりしかないのではと思われるかもしれませんが、Nさんのように社外の方々とのコミュニケーションが生まれたことで仕事の幅が広がり、ご本人もお仕事を楽しまれていることがとても印象的でした。