D&Iが事前に「マネーフォワードでの働き方」と「求職者様の働き方の希望」を丁寧にすり合わせして頂いており、面接の段階ではお互いの期待値が同一であったため、選考は非常にスムーズでした
株式会社マネーフォワード様
人事本部 人材採用部 副部長 菱沼 史宙様
急速な事業拡大と“障害者雇用の第一歩”
当社は、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションにもとづき、個人向けにはお金の見える化アプリ「マネーフォワード ME」、法人向けにはビジネス向けクラウドサービス「マネーフォワード クラウドシリーズ」等、すべての人のお金の課題を解決するサービスを提供しているフィンテック・ベンチャー企業です。
2017年秋にマザーズに上場しましたが、その少し前から加速度的に採用を進めており、2019年3月時点で上場時の約2倍 の規模に拡大しています。
ただ、上場前のフェーズでは新卒・中途の採用と比べて障害者雇用は推進できておらず、2017年夏の時点では1人も雇用できていませんでした。
人事はごく少数のメンバーで回していたこと、事業成長のスピードゆえ受け皿となる環境づくりやポジションの創出に手が回っていなかったことが理由です。
経営陣もこの状態を危惧し、「まずは1人、2017年中に雇用しよう」という目標のもと、当社の“障害者雇用の第一歩”がスタートしました。
まずは1人 今できる採用と定着とは
各社様からサービスの提案を受けたり、障害者の就労支援機関への見学へ行ったりと情報収集を進めていく中で 、「今の当社の状態に適した人材を採用できる」と確信を持てたD&Iの『DIエージェント』と『BABカンファレンス』の導入を決めました。
検討している仕事内容を丁寧にヒアリングしてくださり、障害者採用の市場と照らし合わせて募集ターゲットの明確化やスケジューリング、具体的な職場配慮のポイント等まで丁寧にサポートして頂いた結果、目標通り同年中に1名、精神障害 をお持ちの方を雇用することができました。
その方はD&Iの定着支援サービス『ワクサポ』も活用し 、順調に当社に馴染んで頂き、今も活躍してくれています。
継続的な雇用拡大のために 障害者雇用の方針決定
1人目の採用・定着の事例ができて一安心、と言いたいところでしたが、依然として組織は拡大中。
事業をスケールしていく過程で年間150~200名増員 を見込んでいる当社では、法定雇用率達成のためには障害者採用も毎年4名以上継続 していく必要があります。
1人分のポジション創出であっても容易ではなかったため、同様の手段を続けても上手くいかないことは明白でした。
そこで、2018年の夏に「会社として障害者雇用をどの様に進めていくか、何を目標とするか」を経営陣と改めて相談しました。
その場では、経営陣から、当社の定めるバリューの一つ「Fairness」に沿って「マネーフォワードは、社会に対しフェアであり、オープンであるべき。法定雇用率を達成するのは当然で、達成を目的とせず、障害があっても等しく活躍できる開かれた会社を目指すべきだ」 と力強い後押しをもらいました。
抜本的な仕組みづくり“障害者雇用の第二歩”
「マネーフォワードらしく、継続的に障害者が活躍できる環境をつくるには?」
経営陣の後押しがあったとはいえ、抜本的な仕組みづくりを実際に進めていくには知識・ノウハウともに圧倒的に不足していたため、「恒常的に発生する業務を切り出し、障害に配慮ができる環境や制度を整える」という大枠を定めた上で、D&Iに相談しました。
D&Iから「どんな業務を切り出せばいいか?」「どう切り出せば市場のニーズと合致するか?」といったアドバイスを仰ぎながら、同時並行で各部署の本部長に業務を洗い出してもらい、切り出しする業務を絞っていきました。
結果として、2018年12月、グループ会社の業務を一部受託し、当社内の障害をお持ちの方にお任せする専門部署を設立。
同部署では、現在3名の障害をお持ちの方を雇用しております。
それぞれの苦手な点は配慮し、お互いでカバーし合いながら、得意分野を活かして活躍して頂いております。
「業務の切り出し」「制度設計」「人選」 3つの課題を解決するには
言葉にすると簡単ですが、この過程には困難も多かったです。
まず1つ目は、業務の切り出し。
「Speed」を重視するカルチャーにおいて既存業務をお任せするのは非常に難しい。
実際に業務を洗い出しても、「本当に障害を持った方に任せられるのか?」当社ではイメージがつかない部分も多くありました。
D&Iが実際に現場に同行してくれ、実業務を見ながら「○○障害の方なら特性に合う」「○○障害の一般的な症状から、この点は配慮した方が良い」といったすり合わせをしてくれたおかげで、具体的なイメージを持ちながら切り出しを進める事ができました。
ここがとても心強く、助かった部分でもあります。
2つ目は、制度設計。
障害をお持ちの方々を雇用し続けるにあたっては、働き方や評価軸等、当社の既存の人事制度が適さない点も多くあったため、これを機に見直ししました。
働き方に配慮をしながら、成果・貢献をしっかり評価し、「障害を持っていてもその人らしく長く働ける」様な制度へブラッシュアップするために、他社事例を踏まえたD&Iのアドバイスを取り入れています。
3つ目は、人選。
まだ業務がスタートしていない段階で、新設する部署における採用活動となったため、求職者様も分からないことが多々あったかと思います。
当社も、障害者雇用枠に慣れていない故に、初めて聞く特性や症状も多く、その方に合わせた受け皿の作り方や配慮のポイント等には不安がありました。
それでも、D&Iが事前に「マネーフォワードでの働き方」と「求職者様の働き方の希望」を丁寧にすり合わせして頂いており、面接の段階ではお互いの期待値が同一であったため、選考は非常にスムーズでした。
個別の障害事情も事前にヒアリングの上、具体的な配慮まで明確に教えて頂けため、準備した上で採用に踏み切ることができました。
顧客視点で課題を解決する障害者雇用のパートナー D&I
D&Iのサービスを利用した感想を一言で表すと、「ここまでやってくれるのか!」という驚きです。
会社としての方針決定から業務切り出し、制度設計、新部署設立、3名の雇用。
既存業務と並行しながら、これらを約4ヶ月という短期間で成し得たのはD&Iの助力・アドバイスがあってのことでした。
人材紹介においても、当社のカルチャーや課題を熟知してくれており、それらも踏まえて人選をしてくれるため、ご紹介いただいた人材には必ずお会いしています。
他の人材会社であれば「一人でも入社を!」と意気込む様な局面でも、当社・求職者様がwin-winにならなければ決して無理強いはしませんでした。
あくまで顧客に寄り添ったサービスを提供しているので、非常に信頼しております。
マネーフォワードの障害者雇用 今後の展望
当社は、どんなハンディキャップがあっても、それを個性と捉えています。
できないことは配慮したり周囲がカバーしたりしながら、強みを活かして働いて頂きたいと考えておりますし、そのための仕組み作りも全力で行っていきます。
マネーフォワードらしく、Fairnessな障害者雇用を実現できる様、これからも取り組みを続けていきます。