慶應義塾大学 協生環境推進室×D&I共催「障害者雇用3.0セミナー」を開催
2019年7月9日
2019年7月5日、障害者雇用・教育事業を行うD&I(ディーアンドアイ)は、慶應義塾大学協生環境推進室との共催で「地方創生×障害者雇用×テレワーク」をテーマとした「障害者雇用3.0セミナー」を開催致しました。
本分野に精通されている関係者様方にご登壇いただき、これからの障害者雇用の在り方についてそれぞれの立場よりご説明・ご紹介頂きました。
セミナー概要
【講演 第1部】「障害者の経済学」からみた日本の働き方
慶應義塾大学商学部教授 中島 隆信氏
【講演 第2部】 多様な企業事例から学ぶ 障害者雇用の新たなチャレンジ
株式会社D&I 代表取締役 杉本 大祐
【講演 第3部】 パネルディスカッション「障害者の戦力化事例」
司会 中島 隆信氏
パネラー①:寺嶋 文之氏(NULアクセシビリティ株式会社 代表取締役社長)
パネラー②:藤原 秀永氏(株式会社ウィザス 統括支援本部 人事部 次長)
パネラー③:杉本 大祐
実施内容
【講演 第1部】「障害者の経済学」からみた日本の働き方
現在、多くの企業で行っている障害者雇用は法定雇用率を達成するだけのものだとし、従来の仕事の枠にとらわれず「障害者の戦力化」を推進するべきだとお話しされました。
単純作業などの“障害者仕事”を脱し、特例子会社に頼らず本業での業務増加、テレワークを活用した地方への業務発注、直接雇用ではなくA型施設などに業務を発注する「みなし雇用」といったアイデアをご説明されました。
【講演 第2部】 多様な企業事例から学ぶ 障害者雇用の新たなチャレンジ
既存の体制では受け入れが難しい障害者に対する「新たな雇用モデル」を考える必要があるとし、在宅就業(テレワーク)型雇用モデル「エンカク」を提案。
通勤ストレス軽減や継続就業などの障害者メリットだけでなく、労働人口の確保や地域活性化、生産性向上や人材確保といった社会・企業の双方にもメリットがあると説明しました。
【講演 第3部】 パネルディスカッション「障害者の戦力化事例」
中島氏の司会進行のもと、パネラーの3名が様々なテーマに対する自社の取り組みや考えをお話しされました。
(以下、ディスカッション内容を一部抜粋)
「テレワークの訓練について」
寺嶋氏 :すぐに生産性を求める事はせず、「どのくらいの生産性があるのか」を見極める事をまず実施。納期を設定する事で「成果物の品質が低い=生産性が低い」という事を本人に気付かせ、生産性の向上を図ると説明されました。
藤原氏 :自社とフォローをお願いしているD&Iの双方から成果についてお伝えするようにしている。在宅勤務者に関してはその人に最適な業務を新たに創出し任せたりもしていると説明されました。
「今後のキャリアについて」
寺嶋氏 :初めて会社勤めをする方がほとんどで、キャリアについて深く考えられていない人が多い。そのため、業務の中で将来のキャリアに繋がる事を伝えるようにし、自ら吸収して頂くようにしていると説明されました。
藤原氏 :自社の取り組みとし50歳を迎える社員に対し「ライフキャリアセミナー」を開催しており、障害者の方も参加して頂くようにしている。会社としてキャリアについて考えるきっかけを与えているので、自ら考えてもらえればとお話しされました。